※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
N様は、大阪市阿倍野区に住むベトナム人の女子留学生で、日本の私立大学に4年間通い、国際関係を学んでこられました。大学3年生の終わりごろから就職活動を本格的に開始し、日本企業への就職を強く希望されていました。ベトナム語、日本語、英語の3言語を話せる語学力を活かし、最終的には大阪本社を構える国際物流企業から、通訳と輸出入書類作成を中心とした事務職で内定を獲得されました。
しかし、就職が決まった後も、N様には大きな不安がありました。それは、「内定が出たからといって、必ずビザがもらえるとは限らない」と聞いたことがあったからです。実際に、学歴と業務内容に関連性がなかったり、会社側の雇用体制が整っていなかったりする場合には、ビザが不許可になることもあるという話を周囲から聞いており、不安な気持ちでインターネット検索をしていたところ、当事務所のビザ事例記事をご覧になってお問い合わせをいただきました。
初回相談の際には、N様ご本人と企業の人事担当者の方がオンラインで参加され、今後の手続きの全体像や、申請書類の種類、提出スケジュール、注意点について丁寧にご説明させていただきました。特に、卒業前に申請を完了しておきたいというご希望があったため、非常にタイトなスケジュールでの対応が必要となりました。
担当行政書士のコメント
技術・人文知識・国際業務ビザは、日本の大学・大学院等を卒業し、学んだ内容に関連した職務に就く場合に申請可能な就労ビザです。申請時に最も重要なのは、「学歴と職務内容の関連性」と「業務が専門性を有する内容であること」を、いかに客観的に説明できるかです。
N様の場合、大学では国際関係を学び、東南アジアとのビジネスや言語に関する科目を多く履修していました。一方、内定先の国際物流企業では、海外取引先とのやりとり、貿易書類の管理、ベトナム語を使った現地スタッフとの通訳業務が主な職務内容であり、十分な関連性が認められるものでした。ただし、それを入管に対して分かりやすく説明する書類構成が必要でした。
当事務所では、まず企業側の雇用契約書と職務内容説明書を確認し、曖昧な表現を避けて具体的な業務内容が伝わるよう修正をご提案しました。例えば、「書類作成」という抽象的な表現ではなく、「輸出入に関するインボイスやパッキングリストの作成」「ベトナム語・英語でのメール翻訳」など、具体的な仕事内容を日本語で整理しました。
また、会社案内やパンフレットが存在しなかったため、代替資料として企業ホームページの情報をもとに「会社概要書」を独自に作成し、申請書類に添付しました。さらに、大学の卒業見込み証明書や成績証明書から、どのような講義を履修していたかを一覧でまとめ、業務内容との関連性を補強しました。
これらの準備を経て、卒業式の約1ヶ月前に在留資格変更許可申請を提出し、3週間後には無事に許可が下りました。N様は、卒業後すぐに就労を開始することができ、企業側も新年度からの人員計画を円滑に進めることができました。
お客様の声
大学を卒業して、ずっと日本で働きたいと思っていたのですが、周りから「就職してもビザがもらえない場合がある」と聞いてとても不安でした。自分ひとりでは手続きの方法も分からなかったし、会社の人も外国人の採用に慣れていないみたいで、どうしていいか分からない状態でした。
そんなとき、インターネットで行政書士の先生の記事を見て、すぐに相談しました。最初からとても丁寧に説明してくれて、どんな書類が必要か、どこが難しいのか、すべてわかりやすく教えてくれました。会社の人とも一緒にミーティングをしてくれて、とても心強かったです。
自分の大学で学んだことと仕事の内容がちゃんと関係していることを、先生が書類でしっかり説明してくれて、ビザの許可が出たときは本当に安心しました。これから社会人として、日本で頑張って働いていきたいと思います。阿倍野区での生活も気に入っているので、ずっとここに住みたいです。本当にありがとうございました。