※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
旭区にある特別養護老人ホームA会では、慢性的な人手不足が数年前から問題となっており、特に夜勤を含む介護現場では若手人材の確保が急務となっていました。施設ではこれまでにも技能実習生の受入れを行っており、一定の外国人採用の経験はありましたが、実習修了後に即時離職してしまうなど、継続的な雇用には課題がありました。
そんな中、かつて実習生として勤務していたフィリピン国籍のBさんから「もう一度日本で働きたい」との連絡が入りました。真面目で丁寧な仕事ぶりでスタッフや利用者からの信頼も厚かったBさんの再雇用を希望する一方で、制度や手続きの変更も多く、「今の制度で再雇用が可能なのか」「どのような手続きが必要なのか」といった点が分からず、法人としても対応に不安を感じていました。
そこで、外国人採用に強い行政書士をネットで検索したところ、当事務所の「特定技能ビザに関する解決事例」を読んで「ここなら安心して任せられそうだ」と感じ、ご連絡をいただきました。
ヒアリングの段階では、Bさんがすでに介護職種の技能実習2号を修了しており、特定技能1号へスムーズに移行できる資格を有していることが判明。企業側も過去の受入れ経験があることから、支援体制や生活サポートの準備も比較的整っていました。
担当行政書士のコメント
今回のケースでは、技能実習修了者の特定技能1号への移行という比較的王道のルートであるため、表面的にはシンプルな申請に見えます。しかし、提出書類の精度や申請理由の記述内容、企業の受入体制の妥当性などが審査結果に大きく影響するため、慎重な対応が求められました。
まず、Bさんの技能実習修了証明書、評価試験の免除要件の確認、日本語能力証明(N4相当)などを精査し、条件に問題がないことを確認。そのうえで、施設側が提出すべき書類(雇用契約書、支援計画書、役員一覧、直近の財務諸表など)を揃え、施設の運営体制が安定していることをアピールする資料を加えました。
特定技能の申請では、受入企業の「支援計画書」の内容が非常に重要です。生活面の支援、就業支援、日本語学習支援、相談窓口の整備など、項目ごとに具体的な実施内容が求められるため、施設内で担当者を決め、実際にどのような支援ができるのかを明文化。内容が抽象的にならないよう、毎月の面談体制や通訳サポートの手段など、できるだけ具体的に記載しました。
最終的に、入国管理局への申請から認定証明書の交付まで約1ヶ月程度と非常にスムーズに進行し、入国後の在留カード取得、住民登録、社会保険加入なども当方で同行支援を行いました。結果として、受入れ企業様もBさんも、安心して再スタートを切ることができた事例となりました。
お客様の声
技能実習のときからBさんは本当にまじめな人で、今回「また働きたい」と言ってくれたときは、ぜひ迎えたいと思いました。でも、制度が変わっていて何が必要かもわからず、とにかく不安だったのが正直なところです。
行政書士の先生に相談してからは、「今の制度ならどうすればいいか」「施設としてどんな準備が必要か」を非常に丁寧に説明してくださり、こちらがすべきことが明確になりました。支援計画書の作り方も初めてでしたが、サンプルをもとに一緒に作ってくださったのがとても助かりました。
書類が多くて不安もありましたが、常に状況を共有してくれて、申請後も「今こういうステータスです」と細かく報告があり、安心して任せることができました。
無事にビザもおりて、Bさんが笑顔で戻ってきてくれたときは、施設の皆で喜びました。これからも外国人スタッフの受け入れを続けたいと思っているので、またお願いしたいと思っています。