※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
大阪市東成区は、町工場や金属加工業の集積地として知られていますが、近年は従業員の高齢化や若手人材の不足により、多くの企業が人手不足に直面しています。今回のご依頼者であるT社も、従業員12名のうち約半数が60代以上で、製造ラインの安定稼働に課題を抱えていました。
T社では過去に外国人技能実習生を受け入れており、3年間の実習を修了して母国に帰国したベトナム人男性から、「また日本で働きたい」との連絡があったことが、今回の動きのきっかけでした。技能実習中の勤怠や技術習得状況も良好だったため、「即戦力として迎え入れたい」と社内での合意がなされましたが、「制度が複雑そう」「手続きが煩雑なのでは」といった不安もあったことから、インターネットで「東成区 特定技能 行政書士」と検索し、当事務所にご相談いただきました。
初回相談では、特定技能制度の概要、技能実習修了者の要件、受入企業に求められる体制や支援計画について丁寧にご説明。特にT社では初めての特定技能での採用だったため、「支援計画ってなにをどう書けばいいのか」「日本語教育はどこまで求められるのか」などの素朴な疑問が多く、ひとつひとつ丁寧に対応していきました。
その結果、「制度への理解も深まり、手続きもすべてお任せできるなら安心」とのことで、申請代行と支援計画策定まで含めた一括支援をご依頼いただくことになりました。
担当行政書士のコメント
特定技能制度は、外国人側の条件(技能実習の修了、日本語能力試験、分野別試験)と、企業側の体制(生活支援・職場適応支援・支援計画など)という両輪が求められる制度です。特に中小製造業の現場では、支援体制をどう組むかが非常に重要になります。
今回のT社様では、対象者が技能実習3年間を修了しており、日本語もある程度できる状態だったため、試験免除で特定技能1号に移行できる要件を満たしていました。一方で、支援体制については初めての導入であったため、支援計画書の作成はゼロから一緒に進めていく形となりました。
住居の確保、生活オリエンテーション、日本語学習の支援、定期的な面談、苦情対応窓口の整備など、多岐にわたる支援内容について、社内の担当者と相談しながら計画を組み立てました。特に、生活面の支援が不足すると指導対象になるため、受け入れ企業側の責任と負担感についても丁寧に説明し、理解を深めていただきました。
在留資格変更申請においては、必要書類の作成・理由書の構成・雇用契約内容のチェックなどをすべて当事務所で担当。入管との連絡・補正対応も迅速に行い、申請から約1ヶ月半で在留資格変更許可を取得することができました。
また、採用後の支援についても定期的なフォローを行い、就労開始後3ヶ月経過時点での様子をヒアリングしたところ、業務にも生活にも順応しており、社内でも高評価を得ているとの報告がありました。
お客様の声
以前に技能実習で来てくれていた子から「また働きたい」と連絡をもらったとき、会社としても「ぜひお願いしたい」と思いました。ただ、制度の仕組みが複雑で、最初は自分たちだけでできるか不安でいっぱいでした。
行政書士の先生に相談してからは、「これは会社側の責任」「これは外国人本人の条件」ときっちり整理してもらえて、私たちがやるべきことが明確になりました。特定技能の仕組みは思った以上にしっかりしていて、特に生活面の支援が必要だと聞いたときは、私たちも気を引き締めました。
それでも、支援計画の作成から申請書類の整備まで、全部お任せできたので非常に助かりました。入管から補正が来たときも即対応してくださって、無事に在留資格が下りたときは本当にホッとしました。
今では、その彼が製造ラインの中心になって頑張ってくれています。会社にもすぐに馴染んでくれて、以前よりもさらに技術が上がっているように感じます。今後も外国人材の採用を検討しており、そのときも必ずお願いしたいと思っています。