※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
大阪市東成区で長年営業している専門商社B社は、主に東南アジア・中東地域との部品輸出入を中心に展開しており、円安の影響も追い風となり、近年は海外からの受注が急増していました。
一方で、既存の日本人スタッフだけでは語学対応や国際商談への即応力が不足しており、現地とのメール交渉やオンライン商談を効率的に進められる人材が求められていました。
そこで、関西の私立大学を卒業したネパール人のCさんを新卒で採用。大学では国際ビジネスを専攻し、日本語もN1を取得済みで、在学中から通訳や貿易実務のインターン経験もある人材でした。
しかし、企業としては初めての外国人雇用であり、「そもそもどういったビザを取得すればいいのか」「採用職務と在留資格の整合性はあるのか」といった点で不安が多く、当事務所に相談が寄せられました。
初回の面談では、Cさんの学歴・在留状況・希望職種を確認し、「技術・人文知識・国際業務」ビザが適切と判断。企業に対しては、在留資格の要件である「学歴と業務内容の関連性」や「契約条件の明示」「就業体制の実効性」など、必要な整備事項を説明しました。
担当行政書士のコメント
技術・人文知識・国際業務ビザは、日本国内の大学等で修得した知識を基に、専門性の高い職務に従事する外国人に付与される在留資格です。しかし、名称から分かるように、「技術系」「人文系」「国際業務系」と、幅広い業務区分があるため、申請時には該当性をしっかりと主張する必要があります。
今回のケースでは、Cさんが国際ビジネスを専攻し、商学学士号を取得していた点を基に、企業の「海外営業職」との関連性を明確に主張しました。業務内容としては、英語での輸出入取引、貿易文書の作成、展示会での外国企業対応、メール交渉、翻訳・通訳業務などが含まれており、国際業務区分に十分該当すると判断しました。
書類整備としては、雇用契約書・職務内容説明書・会社案内資料・従業員名簿・営業実績資料などを準備し、Cさんの履歴書や卒業証明書、成績証明書、日本語能力試験合格証なども添付。業務内容の正確な記述に加え、雇用主と従業員双方の意思疎通が円滑に図られていることを、実際のやりとりや研修計画から具体的に示すことで、信頼性の高い申請内容としました。
また、社内体制として、日本語対応可能な上司による業務指導体制や、在留期間中のサポート体制(住居支援・健康保険・労務管理)についても説明文書を整備。こうした細部の積み重ねが、初回申請でのスムーズな許可取得につながったと考えています。
お客様の声
今回、初めて外国人社員を採用するということで、どこから手をつけていいかも分からず、正直かなり不安でした。大学時代から真面目に努力していた彼を何とか当社で雇いたいと思っても、「申請が通らなかったらどうしよう」「必要な書類が揃わなかったらどうしよう」と心配の連続でした。
行政書士の先生にお願いしてからは、必要な書類だけでなく、どういった内容をどう説明すればいいのか、細かく教えていただき、非常に助かりました。特に、職務内容の整理や就業体制の説明書の作成など、初めての私たちでは絶対に対応できなかったと思います。
結果的に、申請から約1か月で在留資格が許可され、無事に入社してくれました。今では英語での商談も彼が主導してくれており、業務効率が格段に上がりました。これからは、他の国籍の人材採用も検討していきたいと思います。今回のサポート、本当にありがとうございました。