※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回のご依頼者であるA様は、インド出身で日本の専門学校を卒業後、数年間就労ビザで飲食店に勤務していました。もともと「いつか自分の店を持ちたい」という強い希望があり、貯金を重ねながら物件を探し、ついに大阪市東淀川区の駅近物件に出会いました。
元は居酒屋として使用されていた居抜き物件で、内装もほぼそのまま使える状態だったため、「ここなら早く始められそうだ」と開業の決意を固めました。物件契約の段階で、経営管理ビザの取得が前提となるため、制度や手続きについて相談できる専門家を探していたところ、知人の紹介で当事務所にご連絡をいただきました。
面談では、すでに一定の飲食業経験があり、日本語もビジネスレベルで通じることから、経営者としての素質は十分と判断。ただし、経営管理ビザ取得には「事業の実現性」や「経営の安定性」「継続性」の観点から、事業計画の精度や資金の出所、管理体制の明確化が重要になります。
A様は融資を受けず、自己資金600万円を投下して開業を希望しており、その資金の形成過程や送金ルート、通帳の証憑などを整理する作業から着手しました。また、事業計画の収支シミュレーション、開業初年度の売上見込、メニュー構成や競合分析なども一緒に行い、客観的な数字で計画性を示せるようサポートしました。
担当行政書士のコメント
経営管理ビザの申請では、「単にお金を出して開業するだけ」では不十分で、投資内容の妥当性、開業後の見込み売上、経営者としての経験や実行力など、多角的な観点で審査されます。
A様の場合、飲食業での現場経験が豊富で、仕入ルートや調理方法、店舗オペレーションの知識も持ち合わせていたため、開業後の経営力をしっかり主張することができました。さらに、日本人スタッフの雇用計画を盛り込み、地域との連携や採用戦略にも触れたことで、在留目的の適正性を高く評価してもらえたと思います。
当事務所では、事業計画書の作成を単なる書類作成に終わらせず、依頼者と対話を重ねながら「数字に根拠のある計画」へと仕上げます。A様とは10回以上やり取りを重ね、最終的には入管に対しても説得力ある申請内容となりました。
また、物件契約前に内見同行を行い、契約内容がビザ要件に合致しているかの確認や、契約締結のタイミングなども慎重に調整。登記や開業手続き、保健所対応なども含め、すべてのステップを連携しながら進めたことで、約2か月でビザを取得できたのは非常にスムーズな流れでした。
今後は、経営管理ビザの更新や2店舗目展開に向けた支援も予定しており、事業の継続・拡大に向けた伴走を行っていきます。
お客様の声
日本に来てからずっと夢だった「自分のレストラン」を持つことができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。専門学校を卒業してから飲食店で働いてきましたが、最初はビザのこと、書類のこと、まったく分からず、自分でやるには無理がありました。
行政書士の先生に相談してからは、一つひとつのステップをとても丁寧に教えてくれて、不安がすぐになくなりました。物件を見に行くときも一緒に来てくれて、契約書のチェックまでしてもらい、とても心強かったです。
事業計画の作り方も全くわかりませんでしたが、数字の出し方や、どうすれば入管に伝わるかを細かくアドバイスしてくれて、最終的には自信を持って申請に臨めました。
開業してから1か月がたち、お客様も少しずつ増えてきて、やりがいを感じています。ここ東淀川でお店を大きく育てていけるように、これからも頑張ります。また困ったことがあれば、ぜひお願いしたいです。