※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回のご相談は、東淀川区にある語学学校を運営する法人様より、「卒業予定の留学生を自社スタッフとして雇用したいが、ビザをどう取得すればよいか分からない」という問い合わせから始まりました。
対象となったベトナム人女性は、すでに2年間日本語学校に通学した後、さらに日本の短期大学に進学して国際コミュニケーションを専攻。日本語もビジネスレベルに達しており、学校内では既にアルバイトとして在籍中のベトナム人生徒に対して母語での支援や入学時の書類案内などを行っていました。
法人側としては、卒業後もそのまま正社員として採用し、通訳や事務手続きサポートを担ってもらいたいという希望を持っていましたが、「留学生の在留資格からどう切り替えるのか」「どの職務内容なら技人国ビザで認められるのか」といった疑問や不安が多く、当事務所にビザ取得のサポートを依頼されました。
初回の面談では、まず在留資格「技術・人文知識・国際業務」の適用範囲を詳細に説明。翻訳・通訳・外国人対応の職務が「人文知識」分野として該当し得る点を共有し、具体的な職務内容を業務内容書として整理する方向で進めることにしました。
担当行政書士のコメント
技術・人文知識・国際業務ビザは、対象職務が「専門性のある業務」であることが原則であり、単なる事務や受付と誤解される内容では許可が下りにくくなる傾向があります。そのため、職務の専門性を明確にし、かつ申請人の学歴との関連性を丁寧に説明することが審査上のポイントになります。
本件では、まず法人側にヒアリングを行い、実際に職員として想定される業務内容を洗い出しました。外国人留学生に対しての入学相談、入管手続き補助、各種申請書類の作成補助、授業中の通訳サポートなど多岐にわたっており、いずれも「語学力」と「国際理解」が求められる内容でした。
次に、申請人の学歴については、短期大学での国際コミュニケーション専攻で履修した科目のシラバスや卒業証明書を取得。これにより、業務内容との関連性を資料上でも裏付けられるように整えました。
申請書類としては、雇用契約書、業務内容説明書、履歴書、卒業証明書に加え、事業所の案内資料や社内の教育体制の説明書も作成。採用後の勤務内容や労働条件を詳細に明記することで、「適切な外国人雇用がなされていること」を証明する形を整えました。
入管への提出後は、追加資料の提出要請にも迅速に対応。特に、社内での翻訳・通訳の必要性について具体的な例を挙げることで、審査官に対して実務の必要性をしっかり訴求しました。その結果、約1か月ほどで無事に在留資格変更許可が下り、正社員としての勤務がスタートできることになりました。
お客様の声
最初は「ビザなんて専門の会社でしか無理だろう」と思っていたのですが、実際には、自分たちの思いや職務内容を丁寧に言葉にすれば審査でしっかり通るということを知り、とても勉強になりました。
行政書士の先生には、本当に細かいところまでヒアリングしていただき、「何をどう書けば審査で伝わるか」を一緒に考えてもらえたのが助かりました。
本人も、以前から在校生の相談に乗ったり翻訳を手伝ったりしていて、現場に馴染んでいたので、正社員として継続できるのは本人にとっても大きな成長の機会になると思います。
東淀川区では外国人留学生も多く、今後もこういった採用を検討していきたいので、またぜひお願いしたいです。今回のような形で制度がスムーズに活用できると知り、大変ありがたく思っています。