※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
L様は中国本土で約5年間にわたり飲食店を経営してきた実績を持ち、日本への強い関心と「日本で本格的な中華料理を提供したい」という熱意をもって来日を決意されました。物件視察で大阪市此花区を訪れた際、駅近で空きテナントとなっていた元ラーメン店の物件を気に入り、その場で出店を検討することとなりました。
ただし、外国籍の方が日本で会社を設立して飲食店を経営するには、「経営・管理ビザ」を取得する必要があります。要件としては、事業の継続性と実現可能性、事業所の確保、適切な投資額(500万円以上)などが求められます。また、ビザの審査を通すためには、単に事業を始めたいという意欲だけでなく、具体的かつ実行性の高い事業計画と、しっかりと整った法人登記・事業拠点・経理体制などを文書で立証しなければなりません。
L様は、「経営・管理ビザ」の制度概要は調べていたものの、申請に必要な書類や流れ、どこから着手すべきかが分からず、知人の紹介で当事務所へご相談くださいました。初回の面談で、物件の立地・想定する業態・開業希望時期・資金の準備状況などを詳細にヒアリングし、全体スケジュールと手続きの見通しをご提示。「これなら信頼できる」とその場でご依頼いただきました。
担当行政書士のコメント
経営・管理ビザの審査では、「この事業が本当に成り立つのか」「持続可能な運営体制が整っているか」という点が最も重要です。L様は飲食業の実務経験が豊富で、資金もすでに確保されており、テナント契約の目途も立っていたため、あとは「形式要件」と「書類精度」を高めていくことが鍵でした。
まず会社設立の準備として、定款の作成・法人登記手続・法人印鑑の届出・銀行口座の開設などを一気通貫で支援。資本金は650万円と十分な額が用意されていたため、代表取締役としての出資構成を明確に記録し、出資金の証明書類(送金証明・預金残高証明等)を取得しました。
次に、物件契約に向けて不動産会社と調整し、契約予定書・使用許諾書なども取得。保健所への営業許可取得を前提に、店舗図面・内装レイアウト・厨房設備配置図を作成し、将来的な営業許可の取得が確実であることを示しました。
事業計画書はとくに力を入れた部分です。3年間の収支予測、競合店舗との差別化戦略、メニュー構成、想定単価、来客数、仕入先の確保、従業員雇用計画、リスク対策などを詳細に構成し、飲食業界に通じた経営者が実行するリアルな計画として説得力のある内容に仕上げました。
申請書類はすべて日本語で整備し、必要に応じてL様の母語である中国語による補足資料も作成。大阪出入国在留管理局への申請は行政書士が代理で行い、約1か月半で無事に「在留資格認定証明書」が交付。その後のビザ発給・来日・法人設立後の税務関係の届出も含め、フルサポートで事業開始を支援しました。
お客様の声
私は日本で自分の店を持ちたいと思っていましたが、ビザのこと、会社の作り方、税金のこと、すべてが初めてでとても不安でした。行政書士の先生は最初から全部説明してくれて、どうすればいいかを一つ一つ教えてくれました。
お金の準備はしていましたが、それだけではビザは出ないと聞いて、しっかりした書類を作る必要があることが分かりました。お店のこと、料理のことは自分で考えていましたが、それをちゃんとした計画にしてくれて、数字でも説明できるようにしてくれて、本当にありがたかったです。
結果、予定よりも早くビザが出て、4月には無事に開店できました。今では地元のお客様がたくさん来てくれて、売上も順調です。ここまで手伝ってくれた先生には感謝しかありません。次にスタッフのビザをお願いするときも、必ずまた依頼したいと思っています。