※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
U様は長年、百貨店の接客部門で勤務されてきましたが、「大人が静かにグラスを傾けられる場所を自分の手でつくりたい」という想いから独立を決意されました。大阪市北区の中でも特に飲食店の密集するエリアで、落ち着いた雰囲気のあるビル6階の空中店舗を見つけ、「ワインバーとして深夜営業ができれば理想的」と感じて物件を契約。しかし、営業にあたり不動産会社から「深夜に酒類を提供するには警察署への届出が必要」と案内され、初めて風営法による規制を意識されたそうです。
警察署のホームページで「深夜酒類提供飲食店営業届出」の内容を調べたところ、営業所平面図・避難経路図・求積図・照明音響設備図などの図面類、営業方法書、添付書類が複雑に絡み合っており、戸惑いを覚えたといいます。「これではオープンに間に合わないかもしれない」と不安になり、専門家のサポートを求めて「北区 深夜営業 届出 行政書士」で検索。当事務所の解決事例を確認され、その場でご連絡をいただきました。
初回の打ち合わせでは、店舗の構造や営業開始希望日、内装工事の進行状況などを細かく確認。スケジュールを逆算し、申請に必要な全工程を明確に提示したことで、「すべて任せられる安心感がある」と正式にご依頼いただきました。
担当行政書士のコメント
北区は大阪市内でも特に飲食店密度が高く、ビルの中にある店舗であっても、深夜営業を行うには構造要件や安全管理の精度が求められます。U様の物件はビル6階に位置するため、避難導線の確保や照明の明るさ、安全装備の配置が重要なチェック項目になります。
現地調査では、まず建物全体の構造とU様のフロアの出入口・階段導線を確認しました。営業所平面図と避難経路図は、共用部分との関係まで明示する必要があったため、ビルの管理会社とも調整し、避難経路図を建物全体構成を踏まえて正確に作成。これにより警察署が求める防火・避難の安全対策に対応できる形を整えました。
照明に関しては、ビル内の照度がやや低めだったため、店舗入口付近に追加照明を提案し、LEDダウンライトの増設工事を実施。照度測定結果をもとに照明音響設備図に反映しました。音響設備では、低音がビルの構造体に響きやすい特性を考慮し、スピーカーの配置や音量管理方針を営業方法書に詳細に明記しました。
営業方法書は、静かで落ち着いた空間づくりを目的とした運営方針に即して、「音量は常時控えめに保ち、客層も成人客を中心とし、安全対策として従業員の目配りを徹底する」といった内容を反映。あわせて、営業日・営業時間、緊急時の対応手順なども網羅的に記載しました。
書類一式の準備後、私がU様に同行して北警察署へ提出。事前に整えた説明資料や構造写真が功を奏し、警察署からも「非常にわかりやすく整理されている」と評価され、一発での受理となりました。申請から10営業日後には営業をスタートでき、U様の理想に近い形での開業が実現しました。
お客様の声
物件を契約してから深夜営業に届出が必要と知り、本当に焦りました。私はお酒のことや接客は経験がありましたが、図面を引いたり、照明の明るさを測ったり、警察に説明したりというのは完全に未知の世界でした。そんな中で行政書士の先生に相談したところ、すぐに現場を見に来てくれて、必要な手続きのすべてをわかりやすく説明してくださったので、安心してお任せできました。
特にありがたかったのは、「この照明はここに追加しましょう」とか「音響はこの機器なら大丈夫です」といった具体的な提案をすぐにしてもらえたことです。ただ手続きを代行するだけでなく、店舗づくりの目線でもアドバイスをくださったのが本当に助かりました。
警察署に行く日も同行してくださり、私はほとんど話す必要もなく、その場でスムーズに受理された時は本当にホッとしました。おかげさまで今では、夜の静かな時間を楽しみに来てくださるお客様が増え、常連さんとの会話が楽しみな毎日です。また次のお店を考えるときも、必ず先生にお願いしようと思っています。