ご依頼の経緯
M様は長年、家庭で料理をふるまうことを楽しみとしており、子育てがひと段落した60代になって「地元の方に自分の味を楽しんでもらえる場を持ちたい」と考えるようになりました。そこで、自宅の1階に使っていない和室スペースと土間部分があることに着目し、「ここを改装して小料理屋にできないか」と検討を始めたとのことです。
ただ、住宅地であること、自宅を使うこと、物件の構造が古いことなどから、「こんな場所でも飲食店営業許可が取れるのか?」「水回りや手洗いなどの基準を満たせるのか?」といった不安がつきまとい、自力では申請が難しいと感じていたそうです。
インターネットで「天王寺区 飲食店許可 自宅」などのキーワードで検索していたところ、当事務所のサイトに掲載されていた小規模飲食店の事例を見つけ、「ここなら相談できるかも」と思い、ご連絡をいただきました。
担当行政書士のコメント
今回のご相談では、物件が「元・居住スペース」であることが最大のポイントでした。まず現地を拝見したところ、換気扇は家庭用で吸排気が弱く、シンクも家庭用の1槽タイプで、床もフローリングのままでした。これらの点を保健所の基準に沿うように改装していく必要がありました。
厨房区画を壁と扉で完全に独立させ、業務用の2槽シンクと手洗い器を新設。さらに、床材はクッションフロアに変更し、水や油の飛び散りにも対応できるように工事を進めました。換気扇は強力な業務用に変更し、排気ルートの安全性や騒音にも配慮した設計としています。
また、保健所が特に注視する「客席と厨房の動線の分離」「清掃しやすさ」「食品保管スペースの確保」についても、家具や収納の位置を調整しながら計画を練りました。提出書類としては、厨房設備図、営業概要書、衛生管理計画書、機器リストなどをすべて当事務所で作成し、事前相談にも同席のうえ説明を実施。無事にスムーズな検査と許可取得につながりました。
お客様の声
長年の夢だった小料理屋を、まさか自宅で開けるとは思っていませんでした。最初は不安だらけで、本当に許可なんて取れるの?と思っていました。でも、先生が来てくれて現地をしっかり見てくれたことで、どこをどうすればいいかが一気に見えてきました。
設備も「これはそのまま使える」「ここは変えましょう」と的確にアドバイスしていただき、改装業者とのやりとりにも入ってくれたので、無理なく進められました。書類もすべてお任せできて、私は開店準備と料理の仕込みに集中できたのがとてもありがたかったです。
いまではご近所さんが毎週のように来てくださり、昼も夜も予約が入るようになりました。天王寺区で自宅を活用して開業したい方は、ぜひ専門家に相談してみてください。私のような年齢でも、夢は叶うんだと実感しました。