※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
T様は大阪市内で10年以上にわたりカフェを経営してきたベテランのオーナー様です。さらなるステップとして、夜営業中心の創作和食ダイニングを立ち上げることを決意し、新たに大阪市浪速区の中心部で物件探しを開始されました。駅から徒歩5分圏内の好立地にて元バーの居抜き物件を契約。厨房機器や内装の多くが残されており、初期投資を抑えて開業できるという点が魅力でした。
しかし、契約後に改めて厨房や水回りの詳細を確認したところ、「飲食店営業許可」の基準を満たしていない箇所が多く見つかりました。前テナントは「バー営業」のみだったため、調理設備の火力、換気システムの風量、手洗い場の設置位置、仕切りの有無などがすべて簡易な仕様となっており、このままでは営業許可を取得できない可能性が高いことが判明したのです。
一度店舗を経営した経験があっても、今回は業態も設備条件も異なることから、「専門家の手を借りるべきだ」と判断されたT様は、「大阪市浪速区 飲食店営業許可 行政書士」と検索し、当事務所のホームページをご覧になり、お問い合わせをいただきました。
担当者のコメント
T様のように、過去に飲食店経営の経験がある方でも、物件や業態が異なれば、営業許可取得には新たなハードルが生じます。特に浪速区は飲食店が密集するエリアであり、保健所の審査も他地域と比べて厳格な傾向があります。今回の物件は「以前使用されていたから問題ない」という安心感がある一方で、現行の基準とは合致しない旧仕様が多く見られました。
当事務所では、まず現地調査を行い、既存設備をすべて確認。その上で、浪速区保健所が重視する要素――たとえば厨房床材の耐水・耐熱仕様、洗浄・手洗い設備の独立性、調理スペースと客席の仕切り方法、食品の保管方法など――について、チェックリスト形式で問題点を洗い出しました。
次に、T様と施工業者様を交えた三者打ち合わせを行い、コストを抑えつつも保健所の基準をクリアできる最小限の改修案を提案。施工中にも細かく進捗を確認し、設備設置後には再度図面を作成して保健所へ提出しました。
図面作成では、浪速区保健所の指導に従い、厨房設備の配置図・給排水図・換気設備図・照明計画なども添付。特に浪速区では、保健所による「図面内容への質疑」が多い傾向があるため、過去の指摘事項や近隣案件での対応を参考に、提出前に念入りなチェックを行いました。
結果として、立ち入り検査当日はほぼ無修正で審査を通過。営業許可証も予定通り交付され、T様は希望されていたグランドオープン日を1日も遅らせることなく、新店舗をスタートされました。
お客様メッセージ
「自分で飲食店を10年もやってきたのに、今回はこんなにも違うのかと正直驚きました。設備の細かい要件や、図面の書き方、保健所との連携など、最初の店舗開業のときには経験しなかったことがたくさんありました。
行政書士さんに相談して本当によかったのは、“今のルール”と“この地域の特性”を理解している点です。浪速区の保健所が求める基準に合わせて、あらかじめすべて整えてくれたので、無駄な工事も発生せず、予算内で収まりました。
無事に許可も下りて、今はリピーターのお客様もつき始めています。浪速区でお店を出すのは初めてでしたが、地元の方の温かさにも触れ、やってよかったと心から思います。3店舗目を出す時も、必ずお願いしたいと思います。」