※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
K様は阪南市の漁港近くで長年水産業に従事しており、引退後も地元の魚を多くの人に楽しんでもらいたいという思いから、空き家となっていた知人の住宅を活用し、家庭的な海鮮食堂を開業することを決意されました。
しかし、民家をそのまま飲食店として使用するには、多くの衛生面の基準を満たす必要があると知り、どこまで手を加えるべきか、どういう流れで許可が取れるのか分からず不安を感じていたそうです。「阪南市 海鮮食堂 営業許可」などと検索し、地域に密着したサポートが可能な当事務所にご相談くださいました。
担当行政書士のコメント
住宅を店舗として使用する場合、飲食店営業許可を取得するためには、住宅部分と店舗部分を完全に分離し、衛生管理上の要件をすべて満たす必要があります。阪南市は泉佐野保健所の管轄となり、厨房設備の構造、床・壁・天井の清掃性、手洗い・洗浄設備、換気、排水処理、食材保管などが厳しく審査されます。
K様の物件は築40年ほどの木造住宅であり、フローリングの床や家庭用の流し台など、改修が必要な点が多く見られました。まずは2槽シンクと独立した手洗い器を新設し、調理スペースと生活スペースを間仕切りで完全に分離する設計をご提案しました。
床材には防水性・耐薬品性の高い塩ビシートを用い、清掃性を確保。壁面には油はね対策としてステンレスパネルを一部施工し、調理中の汚れに配慮した設計を行いました。また、排気設備は小規模ながらも業務用換気扇を導入し、厨房の熱と臭気が滞留しないよう工夫しています。
K様は食品衛生責任者の資格を未取得であったため、泉佐野市で開催される講習会の日程を調整・案内し、証明書を取得後に営業許可申請を進めました。厨房図面、設備リスト、衛生管理計画書、開業日程に応じた検査スケジュールの調整までを当事務所が一括して対応しました。
検査当日は同行し、厨房の構造や食材保管方法、調理・洗浄の動線について保健所職員に説明。特に、魚介類を扱う店ならではの衛生管理体制(低温保管・交差汚染防止策)についても口頭で補足を行い、無事営業許可を取得することができました。
お客様の声
昔から魚をさばくことには慣れていましたが、お店を開こうと決めてから「家を直せばすぐできる」なんて簡単に思っていた自分が甘かったことに気づきました。保健所のルールは思っていたよりも細かくて、「どこをどう直せばいいのか」が全然分からず、正直、開業を諦めかけた時期もありました。
そんなときに先生に相談して、図面や設備の説明を受けて、本当に心が軽くなりました。「この部分は直さないといけない」「これは今のままでOK」とはっきり指示してもらえたので、工事業者との打ち合わせもとてもスムーズでした。
申請書類や保健所とのやり取りもすべてお任せできたので、私は漁師仲間から仕入れの手配をしたり、メニューの準備を進めることに集中できました。今では、港に来られる観光客や近所の常連さんたちが毎日通ってくれる温かいお店になりました。
阪南市で、古民家や住宅を活用して飲食店をやってみたいという方がいれば、まずは専門家に相談することをおすすめしたいです。私のように知識がなくても、しっかり支えてくれますよ。