※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
I様は、大阪市内から河内長野市に移住された方で、自然とともにある暮らしの中で「自分の手で地域に開かれた場所を作りたい」という想いから、古民家カフェの開業を計画されました。築年数のある物件を自らの手で少しずつ改装し、地域住民や登山客が立ち寄れる休憩所のような温かい空間を作ることが目標でした。
しかし、飲食業の経験がなく、また営業許可の取得方法も分からず、どのように保健所の基準を満たせばよいかで迷っていたそうです。「DIYでどこまで整えれば許可が出るのか?」「古民家で飲食店は本当に可能なのか?」という疑問を抱える中、インターネット検索で「河内長野市 飲食店営業許可 古民家」「飲食店営業許可 サポート」といったキーワードから当事務所を見つけ、連絡をいただきました。
担当行政書士のコメント
今回のような「築年数のある住宅を使って飲食店を開業するケース」は、保健所の設備基準をクリアするのに一番苦労するパターンです。特に河内長野市を管轄する保健所は、給排水設備・手洗い設備・厨房と住居の分離構造などを厳しくチェックする傾向にあり、事前の準備と段階的な改善が必要でした。
まず、I様の物件を現地で拝見したところ、風情のある良い建物でしたが、厨房予定地が住宅のキッチンと兼用になっており、営業用として独立していない点、手洗い場が未設置、給湯の能力が不十分といった課題が複数ありました。DIY中心で改装を行っていたため、予算的にも工夫が求められる状況でした。
当事務所では、泉州保健所と事前協議を行い、DIY部分と専門業者による対応箇所を切り分けて計画。たとえば、厨房と住居の区切りにはパーテーションとカーテンでは不十分なため、引き戸で物理的に分けること、手洗い場については小型シンクと電気式給湯器を新設することで最低基準を満たすように指導しました。
さらに、I様が提供予定だったメニュー(軽食中心)に基づき、必要な調理器具・冷蔵設備・洗浄スペースの配置もアドバイスし、簡易的ながらも保健所に「安全性の高い営業施設」と評価される構造を目指しました。
書類作成では、厨房図面、営業許可申請書、食品衛生責任者の証明書などをこちらで一括準備。さらに、I様が食品衛生責任者の資格をまだお持ちでなかったため、当事務所では講習会の開催スケジュールや申込方法をご案内し、申請タイミングと講習日程が合うよう事前に調整しました。講習の申し込みはご本人に行っていただく必要がありますが、必要書類の準備や受講後の流れについてもサポートし、証明書を取得後に営業許可申請書に添付できるよう計画的に進めました。
申請から検査、許可までの流れは非常にスムーズで、検査当日は私も同行し、保健所担当者からの質問に対応。DIY部分が多かったものの、「設備の配置と清掃性がよく配慮されている」との評価を受け、申請から1週間以内に飲食店営業許可証が発行されました。
お客様の声
自然の中で、地域の人が集まれるカフェを開きたいという思いだけで動き出したものの、営業許可のことを調べるにつれて不安が増していました。特に古民家ということで、設備が不十分なのは分かっていましたが、何を直せばいいのか、どうすれば最低限の改装で許可が取れるのかがまったく分かりませんでした。
そんな中、行政書士の先生に現地まで来ていただき、「ここをこう直せばOK」「この設備はこの条件で大丈夫」と、一つひとつ説明していただけたことで、とても安心できました。DIYだけでは限界がある部分については業者さんとのやり取りまでフォローしてもらえたのも大きかったです。
申請書類も全部作ってもらえて、私は必要な書類を揃えるだけで済みました。検査のときも一緒にいてくださったので、緊張せずに受けることができ、本当に心強かったです。
今では、地域の方や登山客がふらっと立ち寄ってくれる場所になりつつあり、夢に見たカフェ経営が始まっています。河内長野市で、古民家を使って何かしたいという方には、ぜひこの制度と支援を知ってほしいです。