※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
N様は大阪府泉南市で、長年の夢だった居酒屋の開業に向けて本格的に動き出されました。理想にかなう店舗物件にも出会い、契約も無事に完了。「この場所で自分の店を持ちたい」という思いを胸に、いよいよ準備を始めようとされました。しかし、その直後に待っていたのは、開業に向けた数々の行政手続きと実務上のハードルでした。飲食店営業許可申請、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、そしてスタッフを雇うための労務整備と、どれもが初めての経験であり、どこから手を付けていいのか分からず不安ばかりが募ったそうです。
インターネットで調べるものの、情報が断片的で正確な手順が分からず、「自分ひとりではとても間に合わない」と判断。地元・泉南市の事情に詳しく、飲食店の開業から労務まで総合的にサポートしてくれる専門家を探し、行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持つ当事務所へご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
N様からご相談をいただいたのは、開業予定日の約1か月半前でした。一見すると余裕があるように感じられるかもしれませんが、飲食店営業許可、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、労務整備といった複数の手続きを同時進行で進める必要がある状況では、決して楽なスケジュールではありませんでした。私たちはまず、店舗の現地確認を実施し、飲食店営業許可と深夜営業届出に向けた実地対応をスタート。並行して、スタッフ雇用に備えた労務整備にも着手しました。
現地調査では、契約された物件が以前も飲食店として使用されていたとはいえ、最新の保健所基準に照らしてみると手洗い場の数や厨房設備の配置に一部不適合が見つかりました。そこで、保健所と事前に協議し、大規模な工事を避けつつ最小限の改修で基準をクリアできるように段取りしました。書類についても、施設図面、誓約書、営業計画書などを漏れなく整え、保健所への申請に備えました。施設検査にも立ち会い、想定される質問への準備も万全にしていたため、スムーズに合格を得ることができました。
深夜営業の届出については、警察署との事前相談を重視しました。営業時間の設定、提供メニュー、防音対策の計画内容をしっかりと説明し、警察側の確認事項にも的確に対応。書類の整備と運用体制の説明を通じて、問題なく届出が受理されました。労務整備では、雇用契約書や労働条件通知書、労働時間の管理表を用意し、開業初日からスタッフの勤務体制が整うよう準備を進めました。また、将来的な助成金申請も見据え、必要な書類の整備や制度の活用についてもアドバイスを行いました。
開業1か月前には、厨房設備の納品が一時的に遅れるというトラブルも発生しましたが、N様には「できることを今のうちにすべて済ませましょう」とご提案し、並行作業で書類準備を進めました。そのおかげで工事完了後すぐに施設検査を実施でき、結果的には大きな遅れもなく、開業スケジュールを守ることができました。
お客様の声
初めての開業で、何をすればいいのか全く分からず、正直なところ不安だらけでした。インターネットで調べても情報がバラバラで、書類の準備も手続きの順番も分からず、焦る気持ちだけが募っていました。そんな時に、地元の泉南市に詳しく、しかも飲食店開業の手続きと労務整備の両方を見てくれる事務所があると知り、相談したのがきっかけでした。
最初の打ち合わせからとても分かりやすく説明していただき、何をどう進めればいいのかを一緒に整理してもらえたのが本当に助かりました。書類の準備もすべてお任せでき、保健所や警察署への対応もスムーズに行っていただけたので、安心して準備に集中することができました。厨房設備の工事が遅れたときも、「今やれることをやっておきましょう」と前向きに声をかけてもらえたことで、気持ちの整理がつきましたし、結果的に検査にも無事合格して予定通りにオープンできたときは、本当にホッとしました。
オープン初日は、たくさんの地元のお客様にご来店いただき、自分の店で笑顔のお客様と接している自分に、「夢が叶った」と感じました。一人では絶対にここまでたどり着けなかったと思います。また何かあったら、ぜひお願いしたいと思っています。本当にありがとうございました。